―自力更生の今日的意義―
埼玉大学名誉教授 鎌倉孝夫
21世紀にはいってから、人類は悪性ウイルスによるパンデミックに襲われてれています。旱魃・異常気象に見舞われ、食糧生産の危機が生じています。
しかしこうした状況のなかで、朝鮮民主主義人民共和国は自力更生の威力ある武器をとらえて社会主義建設の全面的発展を志向して力強く前進しています。
朝鮮が自力更生を実行推進しうるのは、チュチェ思想の全人民化によるものです。全人民がみずから自発的にチュチェ思想をみずからの行動の規範と、思想としています。そこにチュチェ思想の真理性が示されています。
1. チュチェ思想の真理性
(1) チュチェ思想の全人民化による防疫体制
2019年12月から襲った新型コロナ・パンデミックに対し、朝鮮はいち早く対策を講じるとともに、万全の感染防止をおこなっています。
① 早くも、2021年1月5日に開催された朝鮮労働党第8回大会の「事業報告」で、
②
③ 朝鮮労働党創立76周年記念講演会(2021年10月10日)で、
④ 通信は、「世界保健医療危機が新型コロナウイルスのオミクロン変異株の急速な伝播でさらに悪化している状況に対処して、各級非常防疫部門で全人民の行動の一致を確実に堅持するための事業が攻勢的に展開されている」と記しています。
⑵「自力更生」による経済建設
朝鮮の国家的自立と民族経済発展の基本戦略は、一貫して「自力更生」です。
2021年1月の朝鮮労働党第8回大会の「事業報告」は、第7回党大会(2016年)以降5年間のたたかいの成果を「人民大衆第一主義」―「すべてを人民のために、すべてを人民大衆に依拠して」とともに、「自力更生を自存と自強の生命線、強力な発展の原動力としてとらえ、度重なる難関をのりこえて社会主義建設の新しい活路をきり拓くための積極的な攻撃戦であった」とし、「党の自力更生戦略は、敵の卑劣な制裁策動を、自強力増大、内的原動力強化の絶好のチャンスに反転させる攻撃的な戦略に、社会主義建設において恒久的に堅持すべき政治路線に深化、発展した」と総括しています。
朝鮮労働党第8回大会の「事業報告」は、「新しい革新と大胆な創造、たえまない前進を奨励する方向に確固と転換」しなければならないことを強調しつつ、新たな経済発展5ヵ年計画の総体的方向は、経済活動を活発化し、人民生活を向上させうる強固な土台をきずくということを明確にしました。
「事業報告」は、「新たな5ヵ年計画は、現実的可能性を考慮して国家経済の自立的構造を完備し、輸入依存度を下げ、人民の生活を安定させるための要求を反映した」、「新たな国家経済発展5ヵ年計画の核心、テーマは依然として自力更生、自給自足である。…新たな展望期間の自力更生は、国家的な自力更生、計画的な自力更生、科学的な自力更生に発展させるべきである」とし、この課題解決に向けた主要経済部門の諸問題を提起しています。
自力更生――新型コロナ禍パンデミックが世界を襲うなか、それを絶対に防止し人民生活の安全、安定、向上を実現する朝鮮の根本的方策であります。これを全人民の目的意識的行動によって推進していること、これこそチュチェ思想の真理性を示すものといえるでしょう。
⑶ 人間中心の絶対的真理としてのチュチェ思想
① 人間の社会的本質の認識
チュチェ思想は、人間は自主性と創造性、意識性をもつ社会的存在である、ととらえています。これは、人間の社会的本質を歴史上はじめて科学的にとらえたもの、ということができます。
② 党の確固たる指導
朝鮮革命は、朝鮮労働党の確固たる指導によって達成されました。
朝鮮労働党は「以民為天」を崇高な理念としています。不断に人民大衆に接し、人民大衆が何を求めているかをとらえこれを現実に実現します。人民の党として、人民の要求を現実の施策として実行します。そのもとで人民大衆自身がチュチェ思想を自己自身の思想として確立します。社会全体のチュチェ思想に基づく一枚岩の団結。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」の現実的確立です。党・領袖の確固とした指導は、チュチェ思想の絶対的確信によるものです。朝鮮は現実に領袖―党―人民大衆の確固たる団結を実現しています。
2、自力更生の今日的意義(要点のみ)
今日、世界をくり返し襲う悪性ウイルスのパンデミック、それを克服する基本は、各国の自力更生にあります。
いまあらためて、平和確立とともに、生活・生命の安全確保のため、各国労働者・人民の自力更生の意識と行動、インターナショナルな連帯によるパンデミック阻止、地球温暖化阻止が不可欠であることを強調したいです。