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1992年の平壌宣言と朝鮮民主主義人民共和国の革命路線

ロシア・チュチェ思想研究協会メンバー
イゴリ・ゴルブノブ

1991年にソ連が崩壊した後、朝鮮民主主義人民共和国は世界で唯一の真の社会主義国家となりました。人民朝鮮の領袖である金日成主席と金正日総書記は、ソ連とすべての社会主義陣営が崩壊した事態とその原因にたいする正確な分析をおこない、1992年の平壌宣言に社会主義建設闘争の新たな革命路線を示しました。この宣言は全世界で社会主義が迫害を受け、ロシア大統領ボリス・エルツィンがアメリカ国会演壇でアメリカを称えていたその暗澹なる時期に、時代と社会主義偉業にとって崇拝に値する宣言となりました。

1992年に70の党がこの宣言に署名しました。2017年の当時、世界的に約300の政党が平壌宣言に署名しました。

今日、わたしは平壌宣言でもっとも重要な部分を選定して分析し、この宣言を発表した朝鮮民主主義人民共和国の革命路線を分析しようと思います。

1980年代の中葉から朝鮮民主主義人民共和国指導部はソ連で社会主義の道から離脱する過程が始まっているということを正確に見極めました。

金日成主席は1960年代にすでにフルシチョフをはじめとするソ連の指導部が残念にも修正主義に移行していることについて指摘しています。

20世紀90年代の初め、ソ連での破滅的な改革の影響と社会主義陣営の崩壊によって極めて複雑な情勢がかもし出されました。

金日成主席は全世界の社会主義獲得物の運命にたいして無関心ではありませんでした。

1992年の当時、世界の多くの国々で社会主義が崩壊しました。

ソ連で大きな衝撃が起こりました。社会主義体制が崩壊し、そこで恐ろしい資本主義の怪物が育ちました。人民朝鮮は多くの敵の包囲の中に単身で残されました。

同年はまた、金日成主席の生誕80周年を迎える意義深い年でした。

朝鮮では主席の生誕日を太陽節として慶祝していました。

金日成主席はいつもと同じように、この時期により頻繁に各国の政治活動家を接見しました。社会主義体制が崩壊すると当然多くの人たちと政党、運動の中で思想的動揺と混乱が起こりました。

著作を読むと、金日成主席は1990年にすでにアメリカ社会労働党代表団とおこなった談話で、社会主義陣営と世界の社会主義が次第に衰退、没落していることについて憂慮を表しつつ、帝国主義が圧力を強化していると指摘しました。主席は朝鮮がコメコンの諸国と異なる点は常に自主の原則を堅持してきたことであると述べました。

主席はポルトガル共産党代表団との談話(1991年7月上旬)とアメリカ「ワシントン・タイムズ」記者団が提起した質問にたいする回答(1992年4月)、そして多くの著作で社会主義の再建運動と社会主義偉業の前進と関連した原則的な諸問題を示しました。

金日成主席は社会主義崩壊の原因について次のように述べています。

「一部の国で社会主義が挫折した原因はいろいろありましょうが、その根本的原因は、それらの国が社会主義の基本原則を守らなかったことにあります」

金正日総書記は、社会主義の再建と関連した膨大で価値ある著作を執筆しました。

金正日総書記は1992年1月3日、著作「社会主義建設の歴史的教訓とわが党の総路線」を発表しました。

総書記は著作で一部の国で社会主義が挫折した原因とそれから得る教訓、社会主義を建設する党が恒常的に堅持すべき総路線など、世界の社会主義運動と関連した切迫した諸問題を示しました。

朝鮮民主主義人民共和国は社会主義理念に忠実な唯一の国として、そして世界の社会主義運動の前に担っている自己の責任を自覚し、金日成主席の誕生日を迎えながら平壌宣言を発表しました。宣言はチュチェ思想の主要原理を反映していることにより、チュチェの社会・政治思想のモデルとなります。

宣言に明記されている、われわれの時代は自主時代であり、社会主義偉業は人民大衆の自主性を実現するための聖なる偉業であるという文句は、われわれをしてまさに自主的立場で真の社会主義党を建設することがどんなに重要であるかを自覚させます。自主偉業は朝鮮民主主義人民共和国の存在と金日成主席の活動の全期間に貫かれています。まさに自主は朝鮮民主主義人民共和国が20世紀後半期の全期間、成果的に発展するようにしただけでなく、全世界における社会主義体制の挫折を固く堅持できるようにしたもっとも重要な要因の中の一つです。

宣言に明記された、各党はすべての路線と政策を自国の実情に即して、そして自国人民の要求に即して立て、人民大衆に依拠して執行しなければならないという文句は、全世界の社会主義党は自国の実情と経済的・文化的特性を考慮し、人民に依拠しなければならないということを示しています。

社会主義社会は本質において人民大衆があらゆるものの主人となり、すべてが人民大衆に奉仕する真の人民の社会です。まさにここにチュチェ思想の原理、社会における人間の地位と役割にかかわる原理が反映されています。チュチェ思想は人間を最優位におき、人間があらゆるものの主人であり、すべてを決定するということを解明しました。

われわれは平壌宣言でもっとも重要で切迫した側面を分析しました。

宣言は朝鮮民主主義人民共和国の革命路線を反映しました。世界で社会主義が挫折した後、人民朝鮮は人間による人間の搾取の反対、生産手段にたいする社会的所有、無階級社会建設という社会主義理念にたいする自国の忠実性を宣言しました。宣言は自主性、あらゆるものの主人としての人間の役割、社会主義党の第一義的な課題である民族解放など、チュチェ思想のもっとも重要な側面を反映しました。これらはすべてソ連が崩壊した後、朝鮮民主主義人民共和国が堅持した路線こそは、真の革命路線であることを証明しています。

平壌宣言の重要な役割は、それが東欧諸国での社会主義の崩壊以後、世界各国の70の政党をはじめて結束し、再編成して、世界の帝国主義との困難な闘争に奮い立つようにしたというところにあります。

チュチェ思想を単に朝鮮民主主義人民共和国の民族思想と見るのは愚かなことです。チュチェ思想は自主の思想です。